営業マンをGPSシステムで管理するメリットとデメリット

営業をサボっていないかGPSで従業員を管理する

GPSは色んな分野で活用されるようになりました。

スマホにもGPS機能が標準で搭載され、自分の位置情報をGPSで調べ、ルート検索ができるので、海外旅行で自分の現在地を見失うというのも減りました。

このGPSですが、仕事にも活用されています。その活用方法のひとつが、「営業の車にGPSを取り付けて管理する」といった方法です。

営業マンは、営業先までの移動に社用車を使うことも多いと思います。

営業マンが地道な営業活動を行ってくれるおかげで、会社は商品やサービスの受注を受け提供することで利益を得ます。

しかし、その会社の利益となる営業を営業マンがサボっていたらどうでしょうか？

多くの営業マンが営業に出かけるといって実はサボっていれば、業績にマイナスの影響を与えるかもしれません。

そこで、自社で働く従業員の監督をするために、営業マン自身の手荷物や社用車にGPS発信機を取り付ける会社も出てきました。

GPS発信機から得られる情報を元に、従業員が営業をサボっていたりしないか、どこに営業へ出かけたのかを監視することができます。

実際に企業のなかには、従業員を監督するためGPSを導入している所があります。

自分の会社もGPSを取り入れたいと思った方もいるかもしれません。

そこで、今回は従業員の監督にGPSシステムを導入することで、どのような効果を期待できるのか、GPSシステムを導入することで起こる問題点などについて解説したいと思います。

GPSシステムを導入して得られる効果

GPSシステムを会社の業務の中に組み込むことで、従業員の作業効率向上、サービス性の向上など、さまざまなメリットがあります。

まずは、GPSシステムを導入することで得られる効果についてご紹介します。

経費の削減

GPSシステムで業務の効率を良くすることで会社の経費を削減できる可能性があります。

例えば、仕事をサボっている従業員がいれば、どこで仕事をサボっているのかGPSですぐに調べることができ、サボりを繰り返すような素行の悪い従業員を解雇するための証拠を揃えることができます。

従業員のサボり防止

従業員が外出先で何をしているのか？営業マンが営業をサボっていないか？

GPSシステムを導入することで、従業員のサボりを監視することが出来ます。

従業員のサボりを監視することができるだけでなく、外出した従業員の帰社時間をGPSの位置情報から逆算することができ、外出する従業員の作業効率の向上にもつながります。

社用車の管理

社用車の管理は会社の悩みのひとつです。いつ誰が社用車を使っているのか、社用車がいま何処にあり、いつになれば会社に戻ってくるのか。

また、社用車の走行距離から燃費計算、社用車の移動ルートを調べることで効率の良いルート選定などを行うことができます。

配送サービスの向上

運送会社の配達車両や配達する荷物にGPSシステムを導入することで、配達を依頼した人、荷物を受取る人は、配達されている荷物の現在地を知ることができます。

いつ荷物が届くのか知ることができ、現在では荷物の配達状況を確認できるサービスを多くの運送業者が導入しています。

会社にGPSシステムを導入することで、ここでご紹介した以外の効果が沢山あります。

業種によって効果も少し違ってきます。

GPSシステムを導入しようとした場合、それぞれの業種ごとで効果を検証することが重要になります。

GPSシステムの導入で発生する問題点

GPSシステムを会社に導入することで、営業マンのサボりを監視することができるなど会社にとってのメリットが沢山あります。

しかし、メリットが多い一方でGPSシステムの導入には問題点がいくつかあります。

GSPによる監視で従業員が萎縮する

GPSに限らず、従業員の監督を厳しく行うことで、職場の雰囲気がギスギスしたり、従業員が失敗を恐れるばかりに萎縮して、積極性が無くなってしまう場合があります。

GPSで業務内容を監視されていると意識すると、サボりをしていない従業員にまで極度の緊張を強いてしまい、その緊張から業務に積極性が感じられなくなり、失敗を恐れる職場の雰囲気が出来上がってしまいます。

業務に緊張感を持つことは大切なことですが、勤務している時間全てを誰かに監視されているというのは、緊張感ではなく、不快感を感じる人もいます。

会社の従業員は、会社から雇われているわけですが、奴隷ではありません。

行き過ぎた管理を行えば何かしらの不都合が生じます。

従業員のプライバシー保護

GPSシステムの導入には、従業員のプライバシー保護に注意を払う必要があります。

GPS発信機を従業員のカバンに仕掛けて、従業員にはGPS発信機を仕掛けた事を伝えていなかった場合、その従業員は業務が終わった後、そのまま会社には帰社せず、直接自宅へ帰る可能性もあります。

勤務時間内であれば、GPSを使い従業員の監視を行うことは、法律上でも問題はありません。

しかし、勤務時間外、しかも従業員にはGPS発信機を黙って取り付けていた場合には、プライバシーの侵害として不法行為に問われる可能性があります。

GPSシステムの導入は一歩使い方を間違うと、致命的な問題に発展する可能性もあります。

導入を検討されている会社は、GPSシステムの効果だけに目を向けるのではなく、GPSシステムを導入することで発生する問題についても検討する必要があります。